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5. 魚竜の遊泳

イントロダクションで触れた通り、初期の魚竜類はトカゲ型と呼びたくなるような体型をしていました。その中からサカナ型をした典型的魚竜類が進化したのです。このような体型の変化に伴って、魚竜類の遊泳スタイルも当然変化したはずです。

現生のサカナ類の多くは、体軸をくねらせることで推進します。体がどれくらいくねり、どれくらいはくねらないか、という目安で、魚の泳ぎ方は大まかに4つに分類されるのが普通です(下図)。Anguilliform もしくはうなぎ型の泳ぎかたでは、体全体がくねりますが、thunniform もしくはマグロ型の泳ぎでは、体の前の方はあまり動かず、後ろの方だけが振り子状に動きます。

トカゲ型の魚竜類は、トラザメ類に似たところがありました(脊椎骨の章参照):これらは両方細い体幹、同じく細い背骨、そして背骨の数の多さを共有しています。トラザメ類はウナギ型の泳ぎ方をしますから、トカゲ型魚竜類も同様にしていたと思われます。ちなみに、現生のトカゲ類を水に入れると、やはりウナギ型の泳ぎ方をします。

一方サカナ型の魚竜類はネズミザメ類に似たところが有ります。体幹も背骨も太く、三日月型の尾鰭を持っています。これらの特徴はサカナ型魚竜類の多くがマグロ型の泳ぎ方をしたことを示唆しています。

ウナギ型の泳ぎ方には適度の加速能力と操作性があり、大陸棚域に生息するには十分です。一方マグロ型の泳ぎ方は大洋にも出ていく巡航型の動物に見られ、一定速度で泳ぐ際のエネルギー効率の良さがポイントです。こう考えると、トカゲ型魚竜類からサカナ型魚竜類が進化するにつれ、その泳ぎ方だけでなく生息域までも変わっていった可能性が高いといえるでしょう。

遊泳については、将来的にもっと多くのことを追加していきます。

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Last updated on November 15, 2000