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2-3. 魚竜類の脊椎骨

サカナ型魚竜類の脊椎骨は、まるで灰皿か今川焼きのように円盤状でした。このような形の椎体が胴体に有ることは爬虫類では大変珍しく、学者は長年その存在理由に首をかしげてきました。

一方、トカゲ型魚竜類には、今川焼き型の椎体はまったく見当たりません。その代わり、椎体は円筒形で、カメラのフィルムケースのような形をしています。このような形は爬虫類としては普通です。トカゲ型魚竜類の背骨で変わったことを一つ挙げるならば、それは椎体の数です。普通の爬虫類に比べて約2倍ほどもの椎体が胴体にあるのです。では、これら全ては何を意味しているのでしょう。

この問いに対するヒントは現生のサメ類に隠されていました。サメ類の一部は今川焼き型の椎体を持つ一方、他の種にはフィルムケース型の椎体を持つものがいます。更に面白いことに、今川焼き型の椎体は胴体の太いネズミザメ類のようなサメに知られており、フィルムケース型はトラザメ類のような胴体の細い種類にかぎられているということです(下図)。グラフを作ると、胴体の太いサメ類ほど、平均的にはより今川焼き的な、円盤状の椎体を持っていることが明らかになります。これと同じ傾向が、魚竜類にも見て取れます。

これら全てをまとめると、次のような解釈が成り立ちます。魚竜類が初めて現れたときにはトカゲ型で、椎体の数が倍増したものの、太さはたいして変わらなかった(下図)。これらの魚竜類は関節の増えたしなやかな胴体を活かして、ウナギ型の泳ぎ方をした。その中からサカナ型の魚竜類が進化すると、胴体と背骨はともに太くなった。これらはトカゲ型魚竜類から椎体が多いという特徴を継承したので、背骨が太くなると一つ一つの椎体は平たい、円盤状になった。とすると、クジラ類に円盤状の胴椎が無いのは、トカゲ型魚竜類に見られるような脊椎骨の増加が無かったからである、ということになる。。

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Last updated on November 15, 2000